PC-9801活用講座 / デスクトップ 2

  • 2001年4月16日:作成
  • 2017年11月15日:新レイアウト適用、最低限の加筆修正

CPUの換装

多くのPC-9801がCPUに80486SXを採用していますが、Windows95を載せるとお世辞にも快適とは言えません。ODP用ZIFソケットが装備されている機種もありますが、98用ODPの入手はかなり困難です(ODPを購入するようなオーナーは愛機を手放しません)。しかし、マザーボード上のCPUを止めればODPソケットに通常のCPUを装着することができます。この場合、Socket3の486系CPUを使用することになりますが、意外に効果があります。SX→DXでコプロ(浮動小数点演算)が機能し、DX→DX2で2倍、DX→DX4で3倍、DX→Am5x86で4倍と結果は単純明瞭です。

SX→DXの換装でもかなり快適になります。今回はお手軽補強、実験目的と言うことでベースクロックは20MHzのままですが、CPU本来のクロックを与えてやれば、さらに快適になると思います。なお、80486の詳細はPC/AT活用講座にあります。

PC-9801BX(ベースクロック20MHz)のCPU換装結果

場所は機種ごとに違いますが、マザーボード上のCPUはジャンパーピンかランド(ジャンパーピン予定地のような物)をショートすると停止します。9801BXの場合はCPU脇のジャンパーピン(15C3)でした。486DXの場合は487SXとして認識されるらしく、自動的にマザーボード上のCPUは停止します。

DX4は3.3V駆動なのでレギュレータ(電圧降下ゲタ)が必要なはずですが、今回のような低めのクロックであればゲタ無しでも使用できそうです。8個中6個が起動しました。無理をしている事は確実なので、寿命を延ばすための放熱フィンやクーラーは必須です。

また、Am5x86はCPU単体ではなくPC/AT用のODP(EVERGREEN586)を使用しましたが、まったく問題は有りませんでした。この他のより高速なPC/AT用486対応ODPも使用できる可能性があります。入手も98用より容易で、価格も捨て値です。

なお、Socket3はどの向きでも取り付けることができますが、よく見るとA1を示す▲マークがソケット脇にあり、CPUの角も(僅かに)切り落とされています。適当に取り付けない様に・・・ (^^ゞ。

ハードディスクの換装

98用ハードディスクが入手できなくても、PC/AT用が使用できます。絶対に使用できない製品も有るらしいですが、自分はまだ経験がありません。PC/AT用を98用にフォーマットするにはWindows95のFdisk.exeとFormat.comを使用しますが、うまく行かない場合は初期化(Diskinit.exe)からやり直します。これらはWindows95の『アプリケーションの追加と削除で作った起動ディスク』に含まれていますが、1.22MBフロッピーで作成しないと1.44非サポートのPC-9801で使用できません。まだインストールしていないから作れない!お怒り御尤も。CDのWin95フォルダにありますからセットアップフロッピーと組み合わせれば作成できます。が、面倒ですから、起動ディスクを使いましょう。Windows95が動いている別の98x1がある場合には、PC/AT用のHDをセカンダリ(CD-ROMと取り替え)に接続すればWindows上から普通にフォーマットできます。取り付けたHDがウイルス入りと言う可能性も有りますから、一気にフォーマットして下さい。いずれの方法でもフォーマット時にシステムを転送しておきます。

9801が認識できる上限は540MB(IDEの壁)ですが、このクラスのHDは少なくなりました。540MB超ハードディスクを使用する場合は、540MB、実際にはクラスタサイズなどの都合で510MB程度を領域確保し、残りは使用しないのが原則です。しかし、IDEの壁はBiosの制限なので、Biosを経由せず直接ディスクにアクセスするWindowsにはこの制限は及びません。したがって、Windows上でフォーマットすればハードディスクの540MB超領域も使用可能です。

まず、通常のIDE領域を510MB程度Fdiskで確保し、ここにWindowsをインストールします。Windowsが起動したら残りの領域をFdiskで確保(インチキ領域と命名)し、Windowsからフォーマットすれば使用可能になります。インチキ領域にDOSでアクセスするとハングアップしますが、WindowsのDOS窓やコマンドプロンプト(DOSモード)からはアクセス可能です。Windows950ではIDE領域(510MB)+インチキ領域(1504MB)=2014MBまで使用可能でした。これがFAT16の壁2GBだとすれば950B以降のFdiskで越えられそうな気がしますが、手元にないので確認できません。なお、大容量ディスクを一括して認識させるソフトもありますが、私は推奨しません

2017年10月29日:追記 540MB超のインチキ領域を使用する場合は無印950か950aを使用して下さい。950b/OSR2.0以降はエラー再起動時にDOSアプリであるScanDSKが自動的に走りますが、インチキ領域にアクセスしてフリーズ、リセット再起動してまたフリーズ、を延々と繰返すことになり、HDDやマザーを破損する危険性があります。私のBXは950bアップグレード直後の事故でHD破損、その後復活できていません (T_T)

以上は内蔵IDEモデルの場合で、HD100MBは40+40=80MBを上限とするSASIモデルでは実現不可能です。その場合はSCSIカードかIDEカードを使用して外付けで確保することになりますが、16ビットのCバス経由で接続する都合上(使用するカードの性能にもよるとは思いますが)十分な速度が得られない可能性があります。ただし、80486が実装できるSASIモデルの有無を私は知りません。そんな変態機種はないかも (^^ゞ

ハードディスクの速度比較(PC9801BX / HDBENCH 2.61で計測)
モデル接続方法容量ReadWrite備考
Quantum Trailblazer内蔵IED850MB12751504
ICM SFX12S-54RCバスSCSI40MB301247Cバス内蔵型
SCSIボード兼用
Melco DSC-1024(1)外付けSCSI1GB331334

(1) ICM SFX12S-54Rに接続

これは、メモリ上限14MBで大量の仮想メモリが必要な9801では大問題です。また、一部のNEC製SCSIカードに他社製SCSI機器が認識できないバグ(バグ? そこまで自社製品チェックするか? ~_~;)が確認されているので、寄せ集めで組む場合は注意が必要です。IDEカードの方は使用した経験がないのでわかりませんが、低速なCバスの影響は考えられます。またIDEカードも万能ではなく、使用上の制限もあるらしいです。98系超有名掲示板で質問したら、「内蔵IDEでは認識上限と速度の問題が解決不可能なので、外付けSCSI以外の選択肢はない!」と、断言して頂きました。貴重な御意見ありがとうございます。

インストール~セットアップ

CD-ROMのない9801にCD版Windows95をインストールする方法ですが、私はCDのwin95フォルダの中身をHDにコピーし、HDから起動して、フォルダ内のsetup.exeを実行してうまく行きました。なお、この方法はHDから起動する必要があります

全てのファイルが1.22MB以下なのでフロッピー(と努力と忍耐)でもコピー可能です。容量は46.7MB(950)です。フォーマット時に別のパソコンに接続する場合は、そのパソコン上でコピーすればOKです。98系超有名掲示板ではファイルサイズとディスクイメージが問題になりフロッピーではコピーできないと言われているのですが、可能です。何の問題もありません。知名度は内容を保証しません。インターネット活用の基本である情報の取捨選択を、その掲示板で学びました。

個人的にはPC/ATとの整合性を考慮してインストールに「ATオプション」を使用して起動ハードディスクをCドライブにしておく事を推奨しますが、一部のDOSアプリで不都合が起きる場合があります。

インストール終了後、異常にレスポンスが悪い場合には、システム-パフォーマンスでファイルシステムを確認して下さい。ファイルシステムがDos互換モードになっていたらこれが原因です。この場合著しい性能の低下が起こり、殆ど実用になりません。これは一部機種のHDコントロールチップに9800版95が対応していないためと思われますが、NECには対策した形跡がありません。運悪く「一部機種」を引き当ててしまった場合は、諦めるか、自力で解決して下さい。私はPC-9801BAで苦労しました。まったく同様の障害がEPSONの互換機でも発生しましたが、EPSONからは対策パッチEW95UD11.EXEが配付されています (2001年8月確認)。ここから先は自分で考えて下さい。私はこの話題が嫌いです。

HD150MBだと、インストール用のwin95フォルダ+展開されたWindows+スワップ領域でいっぱいになります。アプリケーションをインストールする余裕がほしい場合は、ネットワークなどの設定をしてからwin95フォルダを削除すれば、容量が稼げます。Cバス用ネットワークボードはLaneedからLD-98PTが売られています(2001年8月確認、価格6000円程度)。

Windows95にはドライブスペースが標準でついていますが、ディスク圧縮は絶対に推奨しません。トラブルの原因を増やすだけです。PC/AT用HDでも使用可能ですから、容量が欲しいなら素直に取り替えてください。

Windows95の旧型用セッティングは、PC/AT活用講座を参考にして下さい(って、まだ書いてない (^^ゞ)。

2017年11月15日:追記 と↑書いてから10年超の時が流れましたが・・・まだ書けていません (^_^;)


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