PC-9801活用講座 / デスクトップ 1
- 2001年4月16日:作成
- 2017年11月15日:新レイアウト適用、最低限の加筆修正
最低条件
CPU80486SX、メモリ5.5MB、HD 100MB(CD-ROM無しは150MB)で、マウスがあれば、Windows95をインストールすることは可能です。バス周りが最適化されているらしく同スペックのPC/ATよりスムーズで滅多にフリーズしません。コプロセッサーも(L2キャッシュも?)無いのにと感心します。
未確認ですが、この条件だと該当機種はFellowシリーズ(BA、BS、BX)だけの可能性があります。少なくとも、自分がこれまでに動作確認したのはすべてBナントカでした。
グラフィックカードとCD-ROMは必須ではありません。なお98用マウスは今や貴重品、なかなか見つからない要注意パーツです。マウスコネクタには、角型(旧)と丸型(新)の2タイプありアダプタが必要な場合もあります。Windows95発売当時のパソコン雑誌に1.44MBのFDを認識できないモデルにはインストールできないとありますが、1.22MBの5インチFDモデルの成功例も報告されており、たぶん直接的関係は無いはずです。
EGCのWindows
グラフィックカードがない場合は、98伝統のEGCモード(発色数16、解像度640×400)で使用する事になりますが、WindowsがEGC対応ドライバを持っていないため、そのままではネットワーク使用不可のSafeモードとなってしまい利用価値は半減です。しかし7K1BNN氏作成の640×400ドット再利用計画のドライバーを使用すれば通常起動させることができます。
EGCモードWindowsの実用性ですが、発色数はワープロや表計算のような実用ソフトではほとんど問題になりません。Word97やExcel97もOKで、クリップアートもきちんと減色表示されます。もっとも、これは配慮ではなく16ビット版Officeの基本構造を(バグと共に)そのまま放置している、と言う可能性も・・・ (^^ゞ。
解像度の都合で画面が縦に2行分ほど少なくなるため、タスクバーを隠す、左右に配置するなど工夫が必用です。それでもダイアログボックスがはみ出しメニューが選択できないソフトもありますが、仮想デスクトップツールで改善可能(らしい ^_^;)です。
ネットワークが使用可能となれば、インターネットも当然?可能です。ネットスケープ3.03はインストール不可、エクスプローラ3.02は起動不可でしたが、Opera 6.01が正常に動作しました。
写真の表示は厳しいものがありますが、イラストはそれなりに表示可能です。文字背景色の組合せで隠し文字状態になってしまうページも有りますが、ユーザーモードにすればほとんどのページが表示可能です。全画面表示(図2)にすれば画面が狭いことも気にならず、Lan接続であれば十分実用に耐えます。モデムによるダイヤルアップ接続は9801の通信速度の上限(9600bps)を考えると・・・ (^_^;)。
メモリの確保
9801のメモリ増設には、2~5MBの機種専用メモリ増設ボードを用い、さらにそのボード上に増設サブボード(1または2MBの98用SIMM)数枚を取りつける“親亀子亀方式”が一般的です。つまりSIMMソケットはオプションで機種専用メモリ増設ボードが無ければ、まったく増設することができません。
メモリ5.5MB(概ね内部増設4MB)を確保できない場合はWindows95は諦めるのが正解だと思いますが、幸いメジャーな機種では4MB程度の専用メモリ増設ボードの中古品が安価に販売されています。快適に使用するため、さらにメモリ上限の14MB(表示の差でPC/ATの16MBと同等)を目標に98用SIMMを追加することになりますが、NECのPC-9801-61、IO-DATAのPIO-SIM61、メルコのXMC-2000T、いずれも中古価格が高く、しかも品薄です。しかし、98全盛時にはメモリが非常に高価だったので、SIMM1枚のみ増設し、残りのソケットは空いているパソコンが(特に企業や学校では)普通でした。SIMMは殆どの機種で共通ですから、廃棄対象の9801が複数ある場合、それぞれに増設されているSIMMを1台に集めて使う作戦があるので、廃棄する前に分解して点検してみてください。
なお、98用SIMMは外見はPC/AT用72PINとまったく同じですが、別物です。PC/AT用SIMMを98x1に取付けるとほぼ確実にSIMMが壊れます。PC/AT用が流用できるのは9821の一部機種だけです。
98用増設メモリにはCバス用EMSメモリもあります。どんなに遅くても実メモリは仮想メモリ(HD)より高速であり、総メモリが増えれば快適になりそうです。私も当初は(確かめもせずに ^_^;)そう考えていましたが、実験の結果、数値上明らかな低下が見られ、体感も異様に悪くなりました。
内蔵 | Cバス | 認識容量 | 起動時間(1) | メモリ速度 | 浮動少数点(2) | 整数演算 |
---|---|---|---|---|---|---|
8 MB | 9.6MB | 70秒 | 524 | 505 | 762 | |
4MB | 5.5MB | 81秒 | 520 | 508 | 768 | |
4MB | 8MB(3) | 12.7MB | 93秒 | 317 | 387 | 707 |
(1)98Diskメニューから砂時計が消えるまで
(2)CPUは80486DX
(3)IO DATA製 PC34R-8M
これは、EMSメモリが低速であるため単にボトルネックになるだけでなく、16ビットバスと32ビットバスをシンクロさせるため全体の速度がさらに落ちる(タイミングが両方の最小公倍数になる?)ためです。またシンクロの結果、CPUの演算速度にも影響が出ている様です。内蔵メモリがある程度確保できたら、EMSメモリは追加しない事を推奨します。価格と容量の誘惑に負けてはいけません。