バリアフリー / 通信環境

  • 2001年4月20日:作成
  • 2018年10月6日:全面改訂

回線速度

準備中画像/56kモデム
準備中

近年は地方でも高速な光回線(1,000Mbps超*)が普及し、かつてのようなダイヤルアップ(0.056Mbps*)以外の接続手段が無い地域は稀(皆無?)です。

しかし、経済的な理由、光回線が到達していない、あるいは集合住宅で工事ができない等の理由で、ADSL回線(50Mbps*)もまだ広く使用されています。また、集合住宅や学校のIT教室のように1本の光回線に複数PCがぶら下がり、光本来の速度が得られていない場合もまま有ります。

*単位をMbで統一した下り通信速度の目安

個人的感覚ですが、作成提供側はADSL程度の速度は前提にして良いのではないかと考えています。

単純比較では光回線の20分の1以下に過ぎませんが、ダイヤルアップの900倍近い速度であり、ダイヤルアップ時代の神経質な対応、画像の減色*/圧縮やページ長(容量)の過度な制限は不要です。理想的光回線を前提として作成すると問題も起こるでしょうが、内容に見合う「常識的な重さ」であれば問題ないはずです。

*256色環境対策も兼ねましたが、もう不要だと思います。

ただし、ダイヤルアップに代わって普及したモバイル回線(200~700Mbps)には、ほとんどの契約で通信容量の制限があります。無意味な通信が経済的負担となってしまいますから、軽いページが親切で有ることは言うまでもありません。

Youtubeのボタン
スタイルシートなしのYoutube

Youtubeは動画サイトの宿命で重いのだと思っていましたが、スタイルシートなしだと、画面いっぱいのロゴやボタンが表示されます。Firefox/要素を調査で確認すると、なんと再生ボタンが1248×1235 pxもあります。余りに巨大なので調べ方が間違っているのでは?とも思いますが、これが正しければ、それは大型(TV?)モニタ用に巨大パーツを準備し、通常モニタではそれを縮小表示する共通ページを採用した結果と想像できます。こんな横着をしていれば、ページは際限なく重くなるでしょう。

これもスタイルシートなしだととんでもない表示になりますが、画像主体のページで、拡大表示用の大きな画像をすべて事前に読み込ませ、表示倍率でサムネイル化して(誤魔化して)いる場合が有ります。訪問者に全画像拡大の意志が有るとは限らず、拡大表示されなければ単に通信の無駄です。また、その手法では無意味にページが重くなり、訪問者が途中で引き返してしまう可能性も有ります。

何時の時代にもその時点の最速回線を持ってしても表示困難な激重サイトは存在しました。接続するまでそれは分からず・・・はっきり言って「Webリソースを浪費する迷惑行為」だと思います。

SSL接続

SSL接続(https://)は通信を暗号化することにより、Web上の途中経路で傍受される危険を軽減する通信技術ですが、確実に対応する物的環境が平文通信(http://)より制限されます。

SSL接続では暗号化にTLS(Transport Layer Security)を使用し、現在は2008年策定のTLS 1.2が主流で、当然ですがTLS 1.2非対応の古いOSやブラウザでは接続することができません。重要なID/Passwordの送受が伴うネットバンキングのような状況下ではSSL接続は必要ですが、通常サイトの単純閲覧には必ずしも必要ではなく、より多様な環境での閲覧を目指すならSSL化しない方が良い事になります。

このように、SSL導入は必須ではありませんが、Web初心者を中心にSSL接続時にURL欄に表示される鍵マークの意味を勘違いしている様に思われます。それは「通信の技術的安全」を担保するのであってサイト内容とは無関係ですが、鍵マークが表示されない非暗号化サイトを危険サイトとして敬遠してしまうため、結果として情報が伝わらなくなります。

Chromeの警告
Chromeの警告

さらに、2018年7月から高い普及率を持つChromeが、非SSL接続に対して「保護されていない通信」を表示するようになったので、この勘違いは増強されると思います。他のブラウザ(と旧Chrome)では「安全であること」のみが通知されますが、現Chromeに追随して非SSLページに特別な警告を出すようになる可能性も考えられます。

幸いにも、TLS 1.0が1999年、1.1が2006年策定と古い規格であるため、SSL接続(TLS 1.2)導入の影響を受ける環境はそんなに多くありません。

Yahoo!アナウンスによるTLS 1.2非対応環境
OS:Windows Vista、OS X 10.8、Android 4.0.4、iOS 5.0.1 以前
ブラウザ:Internet Explorer 10、Chrome 29、FireFox 26 以前
対応チェックページ

非暗号化併用(httpsリダイレクトしないでhttpも残す)であれば古い環境にも対応できますが、非SSL接続してから状況を判断し手打ちで[s]を追加してSSL接続に移行する初心者が存在するとは思えません(それができたら初心者ではありません)。SSL接続は時代の流れであり、世間的にはTLS 1.2非対応環境の切捨てで結論が出ているのかもしれませんが、私個人「時代おくれ」的には悩まされる問題です。


項目の目次に戻る サイトのトップに戻る