著作権研究所 / 現状と問題

  • 2001年5月28日:作成
  • 2017年12月1日:法改正の反映、個人的見解の削除(移動)

著作権法は社会情勢の急激な変化の中で注目され、見直しが進められています。著作権が軽視されてきたと言われる日本で、著作権そのものが注目されていることは、歓迎すべきです。

しかし、この機に乗じて、「言いがかりが金になる風潮」が蔓延しているのも事実です。見直しは著作者の立場でも利用者の立場でもなく、強硬な中間利権団体*の既得権確定にむけて行われているように思われます。その結果、現行の著作権法は音楽映像保護法の様相を呈しており、出版事業者の権利が十分に保証されているようには見えません。

またIT業界では、ソフトに含まれる音楽や映像を強調し、音楽著作権や映像著作権に便乗してソフトを守る動きがあります。しかし、既得権存続しか頭にない強硬団体とは決別し、新しいメディアとして、社会から容認される新しいルールを確立する必要があるのではないかと思います。このまま強硬団体に迎合・加担していると、ハードディスクやPCそのものに録音録画補償金を上乗せされかねません

かつては、物理的な物としての著作物の大量複製と流通が可能な設備と機構を備えた組織、概ね同業者間の取り決めと監視で、著作権を守ることが可能でした。しかし、現在では技術革新が進み著作物の性質も変化し、個人でも大量複製と広域流通(送信)が可能になり、悪意のない1個人の行動が著作権者に甚大な損害を与えてしまうこともあり得ます。著作物を利用する個々人が、著作権法を意識し尊重する姿勢がより一層求められています。

しかし現行の著作権法は複雑怪奇で素人の手には負えず、著作権処理方法も煩雑で時間がかかり、個人レベルでは対応が難しいのが現状です。中間利権団体の都合ではなく、実情に追いつけず完全に破綻している現行法を根本から見直し、著作権者と利用者の立場から、誰でも理解可能で守れる、守られる新著作権法が望まれます

*著作権法では“利用者側の保護に重点をおいた仲介業務法”によって認可・設置された仲介業務団体と表現されている。

法改正の反映に加え、個人の感想見解をここから排除することも今回の更新の目的でしたが、最後の最後でそれに失敗しました。書かずにはいられません、何も変わっていません。16年の時を経て、このページがほぼ書換え不要であったことを、残念に思います(2017.12.01)


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