合法すれすれ研究所 |
2001年6月11日作成 |
(4):知的所有権その他 |
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著作権法第30条の『私的使用の目的での著作物の複製』では、デジタル方式の記録機 器を用いることは認められていません。みんなやってるけど?と思われた方、それは勘違 いです。デジタル記録媒体の価格に著作権者への私的録音補償金と私的録画補償金が無条 件に上乗せされているので、それは著作権者に補償 金を払って許諾を得て行う複製であって、30条とは無関係です。 |
補償金の額 | 基準価格の算出 | |||
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機器 | 記録媒体 | 機器 | 記録媒体 | |
私的録音 | 基準価格の2%、またはデジタル録音機能1個を内蔵する機器にあっては1,000円、 デジタル録音機能2個を内蔵する機器にあっては1,500円のいずれか少ない額 | 基準価格の3% | カタログ標準価格の65%(自動車搭載機器は47%) | カタログ標準価格の50% |
私的録画 | 基準価格の1%、またはデジタル録音機能1個を内蔵する機器にあっては1,000円のいずれか少ない額 | 基準価格の1% | カタログ標準価格の65% | カタログ標準価格の50% |
私的録音補償金の方が割高かつ、販売数量から考えた総額でも大きいような気がしま すが、これも亜☆の頑張りでしょうか? |
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このほかに『汎用デジタル複製機器』が検討対象に含まれている(らしい)のですが、 何を指すのか判らないので調べて見たら、なんの事は無い、完成パソコンとパーツで す (‾_‾;)。完成品パソコン、ハードディスク、 CD−R/RW、MPUから補償金を取りたてようと企んでいます。しかも、その代案は 『さもなくば全てのパソコンを常時オンライン監視させよ』です。『オ マエラは全員犯罪者だから徴収する』と言う、いつもの論理ですが、いっそのこと電気料 金に上乗せしてはどうでしょうか、電気がなければ犯罪も起こりません、って 凸(‾_‾メ)。 ところで、デジタル記録媒体に使用目的とは無関係に上乗せされている補償金 は、私的録音補償金管理協会と私 的録画補償金管理協会が徴収し、両管理協会が補償金を関係団体へ配分、同時 に複製を目的としない購入者へ返還す ることになっています。両協会の補償金返還基準によると『反復して記録できる機器また は媒体で過去・現在・将来において、他者の著作物の複製を行なわない事』を返還請求者 が証明することになっています。 無条件に徴収しているからには、権利者とも複製行為者ともまったく無関係な返還請 求者に時間的経済的負担の生じない合理的な証明方法が用意されているはずだ、と探して 見たのですが見当たりませんでした。私は返還の対象者なのですが、証明方法がわからな いので手続きできません。私の悪い頭では何度読み返して も、証明不可能だから返還しないよ、と しか理解できません。 子供の運動会を録画しても、友人の結婚式を録画しても、自分の寝言を録音しても一 方的に補償金は徴収される、返還すると言いなが ら返還手続き上一番重要な複製を目的としない事 の証明方法が存在しない、おかしいと思いませんか? 最近は家庭用DVDレコーダーも普及が加速し、テレビ放送も2011年にはデジタルに 全面移行するそうですが、この組合せは亜☆の思う壷・・・です。 デジタル放送の場合には著作権保護のための信 号も同時に送信が可能で、録画禁止や(録画後の)ダビング禁止などの指定 が可能になります。ダビング禁止の場合、再生機器間の移動しか認められないため、編集 不可になるようです。また、録画した機器以外で再生できない荒業も準備されている可能 性があります(もしかしたらBSデジタルハイビジョンとか既にそうなっているのかも・ ・・以上、DVDレコーダーのカタログの注意書きから推測、貧乏な我が家では確認でき ず ^_^;)。 大手メーカーのDVDレコーダーは、著作権法を順守するように機能制限がかけられて おり、市販のDVDソフトを筆頭に著作権保護のための信号を含むものは当然録画(複製) できません。わざわざ不必要なアナログ回路を経由させて録画録音品位低下を起こす配慮 までされています。ところが、著作権法上認められ た補償金不要なものしか録画できないハズのDVDレコーダーにも私的録画補償金が上乗 せされています。 現時点では10万円以上する高額商品ですから、上記基準であれば補償金の額は1,000円 、貧乏な私でさえ小銭と認める金額です。しかし額の問題ではありません、明かにおかし い、支払いの根拠の無い1,000円です。『俺はコピ ー可能にして提供する、するとオマエラは犯罪を犯すから補償金を支払え』商法には賛同 できません。SCMS方式やCGSM方式の1世代目の補償金だと言うので あれば、『コピー禁止』にして下さい。 万が一(十万が一? 百万が一? ^_^;)、私がDVDレコーダーを購入 した場合には、返還手続きを取らして頂きます。購入した機器で私が補償金 対象行為を行えない事は簡単に証明できるはずです。 もちろん、協会側から具体的に『その機器で も、この方法で著作権が侵害できます』と指摘していただけるなら、返還請求は取り下げ です(情報料として1,000円払おう、安いもんだ ^_^;)。 |
この問題に関する私の正直な意見は、誰でもボ タン一つで自由自在にデジタル複製できる技術が出現してしまった現状ではやむを得な い『ハイテク税』だと思います。常識、良心や道徳に訴えて著作権を守らせ ようとしても、その類を一切持ち合わせていない人は確かに存在します。 が、しかし、私が許容できないのは音楽著作協会=亜☆の発言です。この補償金問題 の記者会見で『お前らはみんな泥棒、犯罪者だ! それから金を取って何が悪いか!(記憶するかぎり原文)』とカメラに向かって口汚く怒 鳴り散らしました。あんたはカメラに向かって怒鳴ったつもりでも、カメラ 越しに怒鳴られた私は不愉快そのもの!面識も無いあんたに怒鳴られ、泥棒呼ばわりされ る覚えはない! おいコラ、亜☆、私は音楽CDに限って言え ば著作権法順守、聞きたい曲はすべて買って聴いている。レンタルを利 用した事も無いし、不正ダウンロードなど論外!自分でも驚くほどだ (^^ゞ。 その理由は単純明瞭、私がCDを買えば、お気に入りのミュージシャンに印税が入る からです。自分が聞きたい曲を作ってくれた人に対価を払うのは当然であり、その事が次 の曲につながります。ほとんどがシンガーソングライター、印税総取りなのでアルバム1 枚当たり百円程度はあるかも知れません。本当は欲しい曲もある が亜☆のCDは絶対買わん、お前には1円の印 税も払ってやらん! もしも音楽著作権協会が『まともな人間』を代表に『広く皆さんの理解と協力を得たい』 とコメントしていれば、私は補償金を快く支払っていたでしょう。 しかし、江戸〜明治期の村芝居や露天を仕切っていた興行主=地 廻り(ある盛り場を根城とするなら●者)がその設立母体と考えられます から、音楽著作権協会に常識を求める自体 が根本的に間違っているようです。 音楽著作権協会の体質と内情は玉 木宏樹ホームぺージの『言いたい放題』と『音楽著作権とJASRAC問題』でよく 解ります。玉木宏樹さんは異色の作曲家・ヴァイオリニストで『怪奇大作戦/音楽担当』、 『森の熊さん(あの有名な熊さんです)/編曲』、ほか多数のTV番組を手がけており、 現音楽著作権協会評議員です。 |
次々と新しい技術がハードやソフトに投入されています。しかしパソコンに限らず、 私が使用している古いハード・OS・アプリ ケーションは新技術には対応できず、保護信号にも応答しなければ、中古ですから購入時 補償金を支払うことすらできません。貧乏かつ『時代おくれ』な私は技 術革新の波から取り残され、ますます『時代おくれ』な生活を送る事になりそうです。残 念ながら文化の健全な発展(とやら)に寄与する事もできません・・・さてと、高級S− VHSデッキの中古でも探しに行こうかな (^^ゞ。 |
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ホームページを作成していると画像や音楽が欲しくなります。『初代ゴジラでは外耳 が認められ、全てのゴジラで腹板を欠きながら尾下板を有する特殊な形態をしており、そ の鳴き声も・・・・』の様に延々文章で描写しても知っている人しか理解できません。書 いている方も読んでいる方も、うんざりです。こんな時、1枚の画像が、一声のサウンド データが有れば、より的確に自分の思いを伝えることができますが、そのためには著作権 者の許諾が必要になります。 許諾の可否は(日本では?)著作物個別に利用する側が確認することになりますが、 ほとんどの会社(プロダクション)で非営利個人用の窓口が整備されておらず、扱いはか なり冷たいです(実体験 T_T)。しかし、 少数派ながら会社によってはファンサービスとして、 非営利個人用の窓口とガイドラインを設け、ホームページでのキャラクター使用を認めて いるところが有ります。 |
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この他にも、ソニーコミュニケーショ ンネットワーク株式会社ではポストペットのホームページ用画像を提供しており、非 営利個人ページでの使用を認めています(条件付でスクリーンセーバーなどの素材にも 可)。カプコンではゲーム画像の掲載は認めて いませんが、ガイドラインを設けてゲームキャラクターの自作イラストをホームページに 使用することを認めています(ここに私のイラストをサンプルとして出すと同一性の保持 に引っ掛かりそうなのでやめます (^^ゞ)。 このように、著作権利用者の立場から非営利個人向け窓口を設けているプロダクショ ンも有り、窓口はなくても交渉すれば使用を認めるところも(数は少ないながら)ありま す。簡単な(補償金も含めた)手続で著作物が利用 できることが、守られる著作権の出発点であり、歓迎すべきことです。 時折、『著作権を侵害する意思はありません、問題があればご連絡下さい』という趣 旨の断りを提示し、強行掲載しているサイトを見かけますが、本末転倒、それでは著作権 者側にWeb巡回点検義務を負わせることになってしまいます。 あくまでも『我々は、著作権者の厚意にすが り著作物を使用する許諾を(非商用としてできれば無償で ^_^;)もらう側』で あり、こちらから連絡・確認するのが筋です。 しかし実際には音信不通、返事さえ貰えないプロダクションが多いです。戻って来な いからメールは届いたと思うのですが、開封チェックを付けるのも失礼だし、連続して大 量に送り付けるのも迷惑でしょうから、私は返事が無いのも意思表示=拒否と解釈し、メ ール2回以上のコンタクトは取っていません。しかし、著作権法では著作権者と連絡がつ かない場合や著作権者が特定できない場合は(保護期間内であれば)、文化庁に許諾申請 をすることになっています。と言うことは、無 回答シカト作戦をとるプロダクションの作品は、連絡不能として文化庁に申請、供託金を 納付すれば『合法的に』使用できそうな気がします。供託金の具体的額 は判りませんが、経済的に余裕がある方、挑戦しては如何でしょうか? 面倒だから、どうせ断られるから、ばれないから、と無断使用をする前に、使用許諾 交渉をすることを勧めます。運が良ければ許諾が貰えます。問い合わせが殺到すれば(た とえ、全面禁止であっても)ガイドラインの公表や相談窓口の開設が行なわれるはずで す。そして(予想通り?)断られた後どうするか、 そのプロダクションとどう付き合っていくかは個々人の判断です。 |
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肖像権は尊重すべき権利であり、私も自分の写真が許可無しで撮影掲載されることを 絶対に容認しません。しかし、立場が逆転して情報を公開する側に 立つと、肖像権は頭痛のタネ、地雷とまで呼ばれ ています。 人物が主体の写真の肖像権処理は単純です。本人の、未成年者の場合には本人と保護 者の許可が得られない場合、肖像権には『みだりに撮影されない権利』も含まれますから 掲載はもちろん撮影もしない。人物写真は許可が 得られた場合のみ撮影掲載する。掲載時には(肖像権とは無関係ですが)イ タズラやストーカー対策として、写真とページの個人情報が結びつかないように配慮する。 これで地雷除去完了です。 問題は『人物が写ってしまった写真』の取 り扱いです。人物は目的でなく風景の一部である写真や個人は目的でな い群集写真の場合、写っている全員の許可を得ることはほぼ不可能です が、『一般人が見て個人を特定できる』場合には 肖像権問題が発生する可能性があります。肖像権に関する法的根拠は民法や 刑法には見当たらないため、写真の掲載差止請求や損害賠償請求 は、憲法13条【個人の尊重と公共の福祉】プライ バシー権が根拠となるようです。 プライバシー権を根拠とするならば、写真により個人の秘密(有る時、有る場所にい た)が暴露されたとする申立ても成立しそうです。顔が写っていなくても個人を特定可能 な場合もあれば、群衆の中の点のような人物が特定できる場合も あり、掲載者(わからない)と被掲載者(わ かる)の見解の相違がトラブルを引き起こしかねません。しかも、その 根拠が憲法・・・まさに地雷です。 その一方で、撮影目的や方法が合理的であり人物が写ってしまうことが避けられない 場合、つまり、風景写真が目的であり撮影していることが明らかな状況で撮影して通行人 が(自らの意思で?)写った場合、肖像権問題にはあたらないとする見解もあります。個 人的には道を歩いたら肖像権が消滅すると言うのは承服し兼ねますが、報道写真などはそ の立場で撮影され、社会的容認も現時点ではある程度得られています。しかし、個人開設 ページと報道が同レベルで認知される可能性は 低く、プライバシー意識の高まり(社会のク レーマー化?)の中、地雷を踏まない注意が常に必要です。 |
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趣味のコレクションを画像入りで掲載しているページがあります。パソコン、車、バ イク、ぬいぐるみ、清涼飲料水の缶、etc、楽しそうで見た目にも良く、自分もやって見 たいと思っています。でも、それらの製品は誰かがデザインしたもので、著作物に該当す るのではないか、少々気になります。 著作権法では『日用品、実用品、単なる大量生 産工業製品』は(少なくともデザイン上の)著作物ではないとされていますが、この観点 から著作物と非著作物の境界を示す事は極めて困難です。製品の著作性の有 無は純粋美術か応用美術かで判断され、応用美術の場合は著作権法上の保護対象物にはな りません。 ところが、この根本である応用美術と純粋美術の区分が不明瞭 で、トラブルが起こってから1点ごとに裁判 で争われるのが現状です。その裁判の結果も素人である私には意味不明 で、『招き猫の著作権』が認められた例もあります。従って、趣味のコレクション公開が、 著作権侵害で訴えられる可能性は否定できません。また、著作物に該当しなくて も、大手企業の製品の場合は意匠や商標など 別の知的所有権でも保護されているのが普通ですから、その方向から訴 えられる可能性もあります。 しかし、こんな事を気にしていてはページは作れません。開設者が『日用品、実用品、 単なる大量生産工業製品』と判断したら、そのまま掲載して現実的には大丈夫そうです。 アニメキャラクター商品など、デザインそのもの に経済価値がある場合をのぞき、自社製品の画像が公開されていても、普通の企業は問題 視しないようです。自社製品が褒められていれば宣伝になると考えるかもし れません。逆に、製品を酷評すると名誉毀損とか営業妨害とか別の問題も起こってきます が、普通の企業はまず警告をしてくるので、そこで問題個所を修正すれば企業も暇ではあ りませんからそれ以上の追求は無いと思います。 しかし、普通でない(超ヒマ?)企業が確実に 存在しており、掲載そのものにクレームをつけてくる事が予想されます。そ の場合は、その企業の製品をページから削除するだけです。企業体質が明らかになった瞬 間に(少なくとも私は)そこの製品を紹介する気はなくなっているので、痛くも痒くも有 りません。こちらも手間暇かけてページ作成をするのです から、アホ企業の宣伝を(たとえ酷評であっ ても、間接的であっても)してやる必要はありません。 ホームページ開設者は著作権法と付き合うのではなくて、良好な関係が保てる著作権 者を選んで付き合う、これが一番精神衛生に良さそうです。 |
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