2017年10月15日バックアップの旧・時代おくれです 現行サイトはこちら

合法すれすれ研究所

2001年6月11日作成
2003年8月18日更新 /構成変更/1加筆

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(5):その他


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マスク

2001.10?(2003.08.18)

一般に、マスク処理とモザイク処理は可逆性の有無で区別され、前者には可逆性があ ります。マスク処理には可逆性があることから、設計図や写真などの機密保持に使用でき ます。処理しておけばメール送信時に傍受されても安心だし、関係者は必要なときに復元 すれば見ることが出来ます。

インターネット上では『法律上公開できない画像』にマスク処理を施し『合法的な画 像』にするのにも使用されていますが、簡単には ずせるマスク処理では合法化したことにならないそうです。しかし、この 『簡単にはずせる』の定義がよく分かりません。たしかに単純なガラス処理やネガポジ反 転、その組み合わせであるQ0マスクなどは『簡単にはずせる』と表現できますが、ほと んど見かけません。通常、マスクと言えば紫色(肌色に処理を行なった場合)のCPマス クを指していますが、これは簡単に解除できるのでしょうか↓(G−Maskを使用した CPマスクの例・・・洒落ですから怒らないでね ^_^;)。

管理人御近影

CPマスクは16文字以下のアルファベットのコードで処理を行い、復元する にはそのコードが必要です。コードがわかっていれば一瞬で簡単に復元できます が、コードが解からなければ復元はかなり困難で、 分割処理や多重処理をされるとほぼ不可能です、らしいと聞いています(^_^;)。したが って、私はコード非公開でCPマスク処理を 行なえば合法的画像であると思っています。コードが裏から流通云々と 復元の技術的困難さは別の問題です。

以上は2001年秋頃の文章で、気がつけばCPマスクも最近見かけません。新しいマス クが使用されているわけではなく、マスク処理された画像そのものがインターネット上に 見当たりません。あの類の画像はマスクを外すのが楽しいわけですが、G−Maskも出 番を失ってしまい、最近は自分で処理して自分で外すと言う自虐的遊びにしか使われません (^_^;)。

CPマスクを使用していたサイト=国内サーバーのサイトは日本の官憲の努力により 壊滅し、その間隙を突いて国外のサーバーから大量の無修正画像が流入したようで す。努力の結果、状況は悪化(好転? ^_^;) しておりインターネットを国内法で規制する無意味さを見たような気がします。


わいせつ

2001.12?

私は“まともな法規制”には賛成で、“通 常の感覚で言う児童ポルノ”は撲滅すべきと考えています。『わいせつ の罪』や『児童ポルノ禁止法』には(児童)買春や援助交際などの項目も含まれています が、ここでは日常生活で我々が関わってしまう可能性のある『画像情報』に話を限定します。

刑法や軽犯罪法で『わいせつの罪』が規定され処罰の対象になっていま す。『わいせつ』の定義は『いたずらに性欲を刺 激または興奮させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道徳観念に反するもの (最高裁、1951年)』だそうです。半世紀前のその当時からズレていたに違 いない判決で、これから明瞭な基準を導くことは困難ですが、話を進める都合上これを認 めることにします。

インターネットで該当する情報を配信するとわいせつ図画公然陳列や頒布などの罪に あたり、2年以下の懲役又は250万円以下の罰金、頒布目的で所持した者も同様と厳しい 処分が待っています。国外のサーバーを使用していても、国内で情報提供に関わる一部で も行われていれば日本の刑法が適用されます。しかし、日本で禁止でも無国籍グローバル なネット上では外国の過激な性情報を引き当ててしまう可能性があります が、日本の刑法にはわいせつ物閲覧罪や単純所持 罪はありません。つまり、ネット上で過激な画像を見てもダウンロードして 個人の趣味として所持していても、罪に問われることはありません。

刑法のわいせつの罪は情報提供側を規制するもので、個々人の性道徳に刑罰で介入す るものではないので、積極的に当局と事を構える気の無い我々には関係なかったのですが、 難解な『わいせつ』をさらにパワーアップした意味不明な法律が成立し、状況が変化しま した。

1999年11月1日に『児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関 する法律』、通称『児童ポルノ禁止法』、俗称『ロリコン法』が施行されまし た。児童ポルノ禁止法では児童を18歳未満と規定 し禁止対象にわいせつとは言えない程度の児童の姿態も含むとしています。児 童ポルノを頒布又は公然と陳列した者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、頒布目 的で所持した者も同様、さらに国民の国外犯も処罰対象、と刑法の『わいせつの罪』より 処罰が重くなっています。

人格未熟な児童を搾取対象とし、また後進国の 貧しさを食い物にする児童ポルノは徹底的に取り締まるべきです。しかし、 年齢設定が一律18歳未満と社会の実情を無視して高めであること、禁止対象があまりにも 不明瞭であること、非親告罪とすることで捜査当局による積極的な摘発を可能にしている ことなどから、乱用による個人生活への過剰介 入や表現出版の自由を侵害する恐れが指摘されています。

すでに出版社(撮影者)と販売店は、禁止対象が不明瞭なことを警戒し自主規制を行 なっています。18歳未満の画像については制服(制服風含む)や体操着着用の禁止、一部 脱衣の禁止、水着は両親の要許諾で横寝ポーズは禁止とし、タイトルや表紙で美少女や現 役女子高生などの文言使用や18歳以下を強調することの禁止、などが取り決められている そうです。また『制服は児童が着用するのが社会通念である』と言うスバラシイ理由か ら、18歳以上であってもその着用写真は禁止だそうです。

あくまで自主規制であり司法捜査当局の意向をどの程度取り入れたものかは不明ですが、 当局と無調整と言うことは無いはずです。また、どの程度に順守されているのか私はアイ ドル写真集などに興味が無いので知りませんが、こ のような自主規制が取り決められること自体、児童ポルノ禁止法の的外れぶりを示してい ます。本法施行後、民間放送連盟もアイドルを集めた水泳ゲーム大会の中止 など、番組内容に関する自主規制を強化しています。

児童ポルノ禁止法もわいせつの罪同様に情報提供側の規制ですが、『(17歳にもなっ た)児童の(意味不明な)わいせつとは言えない程度の姿態』が規制対象であることから、 普通にホームページを公開している我々にも直接的関係が有ります。今までのところ不適 当と思われる取締り事例は無い様ですが『捜 査当局が具体性に欠ける児童ポルノを、その場の都合で解釈しながら取り締まる』のであ れば、いくらでも拡大解釈が可能です。

わいせつの罪には全然該当しない健康的セクシーショット(そんなものは存在しない と言う意見もありますが)をネット上で掲載した場合、被写体が(女性に限らず?)18歳 未満なら違法行為となります。また、対象となる年齢に下限はありませんから真っ正直に 解釈すると、2歳児の入浴シーンをホームページに公開し自慢した父親が罪に問われる可 能性があります。身の安全を確保するには、出版業界のような自主規制をするか、情報提 供を止めるかしかありません。

児童ポルノ禁止法では『閲覧、単純所持、具体 的モデルの存在しないCGやイラストの禁止』を施行から3年後(2002年11月)に見直す ことになっていますが、これを処罰の対象にすることはさらに大きな問題を 含んでいます。

現行は情報提供側の規制ですが、閲覧と単純所 持は閲覧者側を規制するものです。あるサイトに接続して『児童ポルノ』に 該当するものがあれば閲覧することになりますが、ネットの性質上接続するまで内容はわ かりません。当然キャッシュに保存されますから、一定の期間ディスク上に所持すること になります。この特性を考慮せずにインターネットを他の媒体と同列に規制する と、特定サイトへの接続に刑罰を課すると言 う非現実的な法律になってしまい、乱用、別件逮捕の温床になってしまいま す。気に入らない相手にメール添付で送り付け、通報することも可能です。

また、単純所持の禁止は過去の情報をどうするのかと言う問題も含んでいます。もし も『18歳未満のわいせつとは言えない程度の姿態』の見直しが無ければ、かつて普通に流 通していた書籍、雑誌、ポスター、普通に放映されていた番組を録画したビデオ、パソコ ンの壁紙やスクリーンセーバーなども多数が該当してしまいます。すべて廃棄したつもり でも、捨て忘れた新聞のチラシ1枚で摘発可能です。

さらに、図書館や放送局など情報の集積を目的とした施設で、摘発をおそれ過去の情 報が廃棄されてしまう弊害も予想されます。現 在の基準で過去情報の所持を処罰するのであれば、事実上、権力側が気に入らない人物団 体は誰でも処罰できることになり、言論と情報の統制に最適な法律が出来上がってしまい ます。なお現時点でも、図書館や放送局は閲覧配信を目的にしているの で『頒布目的所持』として、摘発の可能性があります。

モデルの実在しないCGやイラストなどの禁止 は、この法律の『個々人の道徳の法規制』を狙う特異な性質を最も良く表していま す。実在の児童がモデルとなっている絵を規制することは、『児童に対する 性的虐待搾取から児童を保護する』ことに必要かつ有効だと思います。その過程に児童(の 虐待)が存在する限り、表現の自由が『児童虐待の自由や権利』を保証するとは思えませ ん。

しかし、この法律(の提唱者たち)の目標は『特定のモデルが存在しないCGやイラ ストの禁止、おそらく拡大して美少女系ゲーム、エロコミックの禁止』です。モデルが実 在しない以上、これを禁止することで保護される児童はいません。実在しない人物の年齢 を客観的に判断する方法も判りません。

繰り返し指摘しているように『わいせつとは言えない程度の姿態』が規定されていな いので、カワイイ系CGとヤラシイ系CGの線引きは(自分は健全であると主張する誰か の)主観のみです。『興奮する奴がいれば非合法、 変態ロリコン野郎は処罰する、自分が認められないものは許さない』と言う趣旨が見え隠 れします。前出の『水着横寝ポーズの禁止』や『18歳以上の制服着用禁止』 も同様です。法律と道徳は区別すべきで、個々 人の内面の道徳規範、性的嗜好、思想信条に、国家が法律で介入する事は許されません。

インターネットの現状を見れば立法の趣旨は十分に理解でき、何らかの法規制は必要 です。しかし、現行の児童ポルノ禁止法は現実性と具体性に欠け、守りたくても守れませ ん。また、乱用の危険性を繰り返し強調しましたが、逆に基準が不明瞭であるため取り締 まり側が乱用の非難を恐れ適正な執行が妨げられる場合も考えられます。適正に執行され ない法律は形骸化し実効性を失います。

児童保護の重要性と必要性は誰もが認めることであり、だからこそ『こんな出来損な い』が全会一致で成立してしまったとも言えます。2002年11月まで待つ必要はありません。 法律の専門家、各メディアの専門家による見直しを行 ない、国際的ポーズでも一部(素人)議員の 点数稼ぎでもない、実効性のあるまともな法律で児童を保護する必要があります。


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