合法すれすれ研究所 |
2001年6月11日作成 |
(2):ホームページ/内容に関する製作者の責任 |
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『リンク先の責任は持ちません』とする但し書きを、よく見かけます。これは逆にい うとリンク先の責任を問われる可能性があると言うことだと思います。確かに、アダルト サイトにリンクを張った事で『わいせつ物陳列罪(不起訴)』や『わいせつ図画公然陳列 の幇助(確定)』での逮捕例がありますが、おかしな話です。これが成立するなら大手検 索エンジンはすべて犯罪行為を行なっているし、そこにリンクを張っている公共機関は 『同幇助』です。 リンクした優良サイトが、その後ウイルス配給所になってしまった責任を問われると すれば、リンクを設定したら常時そのサイトを見張らなければなりません。そうなると個 人開設者にとって過重な負担となり、相当な暇人でないとリンクは張れませ ん。大手検索エンジンが責任を追及されない限り、 私は『リンク先の・・・・』と言う但し書きはしません。 ところで、国境すらないインターネットに福岡県は県条例で挑んでいました(過去形 でしょ?)。平成8年3月25日・福岡県規則第14号・福岡 県青少年健全育成条例によれば、リンク先の責任どころか、開設したページ からリンクを辿って行った先に、青少年に好ましくない内容があった場合、ページ開設者 の責任になるのだそうです。リンクを含んだページでこれを順守するのは不可能であるた め、『福岡県の方は閲覧しないで下さい』という但し書きをしているサイトも幾つか有り ます。 しかし、インターネットも普及していない平成8年(1996年)、前世紀の条例です。21世 紀を迎えインターネットも通常の通信手段と して普及した2003年現在、条例の該当部分がそのまま放置されているハズはないので、私 は『福岡県の方は・・・・』と言う但し書きは不要であると信じています。 なおリンクそのものは自由ですが、福岡県庁ホームページにリンクを張ったら、担当 にメールで連絡、リンク元を拝見させていただき ますと書かれていました。拝見して頂くほどのものでは無いので、リンクは 遠慮します。 |
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インターネット上にはソフトウェアクラックの方法、不正アクセスの手段など実行が 犯罪となるHowTo情報が氾濫しています。一般論としてのHowTo情報は、憲法が 表現の自由を保証し、検閲を禁止しているので情報の提供行為が刑事罰の対象となること はありません。しかし、提供情報が実行され被害 が発生した場合、状況によっては刑事上の教唆・幇助、民事上の不法行為として責任を問 われる可能性があるそうです。 もちろん、殺人依頼、自殺幇助や個人情報 暴露などは、論外、刑事罰対象行為です、念の為。 全く知識が無くても、そこに示された通りにキーボードから打ち込む事が出来れば、 目的達成という親切丁寧な『煽りページ』を見かけます。犯罪行為であることを認識でき る閲覧者は、リスクとメリットの兼ね合いで普通は実行しません。 しかし、閲覧者は不特定多数、様々な状況の人が 含まれています。リスクを理解できない小中学生も混じっていれば、犯罪で あることが認識できない心身喪失状態の人も混じっているはずです。この種のページの常 として『実行するな、すべて自己責任、犯罪行為は助長しない』などの決り文句が付け加 えられていますが、この意味が理解不能な閲覧者も居るわけで、法的な免罪符にはなりま せん。 賠償金は取れる人間から取るのが訴える側の鉄則なの で、責任能力に問題がある人間を煽った場合、 その責任を問われる可能性があります。『合法すれすれ』を楽しむ大人 のジョークも個人的には十分理解できます(大好きです (^^ゞ)が、そのジョークを理解 できない子供や初心者、判断力にかける人も見ています。単に自己保身と言うだけではな く、過激な情報提供や煽り行為は、相手のために も控えた方が良さそうです。 情報が悪用されるのは煽りページに限ったことではありません。真面目なネットセキ ュリティマニュアルも悪用しようと思えば立派な不正アクセスマニュアルです。ネット犯 罪の対策ページはその性質上、手口の紹介ページになります。仮に悪用されても、 この種の真面目な情報提供行為の責任が問われる ことは無いと思います。しかし、制作意図は理解できるが不用意に詳細過ぎ る情報も存在します。私がネット情報検索のコツを身に付けたのは、文部省外郭団体?が 小中学校教師を対象に作成公開したと思われる『このキーワードで検索する子供は要注意 (だったと思う)』と言うページで、多数のキーワード(隠語)と検索の目的が列記され た丁寧で詳細な情報でした。私のネット検索力が飛躍的に向上(^_^;)したのは言うまでも ありませんが、このページを見た小中学生にも同様の効能が有ったはずです。 情報の開示、表現の自由、知る権利との関係で非常に難しく(言うのは非常に簡単 (^^ゞ)、 自主検閲を推奨するのかと言われれば撃沈ですが、目 的に応じて詳細度やアクセス制限など情報提供形態への配慮も必用ではないでしょうか? |
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ネット上には驚くほど古い情報が放置されています。古い話題と言う意味でな く、日時が明示されない過去の最新情報の ことです。私の場合はパソコンのパーツを探していて良く引き当てます。入手不可能と言 われるパーツが、販売されている、しかも割り引き価格で大量に (^o^)、大喜びでページ をめくろうとして、ありゃ?リンク切れ、過去の特売情報の残骸、サーバーのゴミ・・・ ガッカリです。ICD−P300・・・欲しかった (T_T)。 イベント案内の月日と曜日の対応が変なので、調べてみたら数年前に終わっていたと 言うことも珍しくありません。また、年月日を明示せずに『現時点で日本には不正アクセ スを処罰する法律はない』とか『この夏旅行に行った○○ホテルは便利』と言う文章を 見かけます。もちろん現時点 (^_^;) では不正アクセスは処罰されますし、我が県の○○ ホテルは確かに便利な場所にありましたが2001年に廃業しています。 情報が古いことが直ちに開設者の責任であるとは思いませんが、少なくと も有りもしない商品=販売する意思の無い 商品の広告を出すことは禁止されています(景品表示法4条3号/誤 認されるおそれのある表示/(5)おとり広告に関する表示)。紛らわしい終了済みイベ ント情報も、誰かが勘違いしたら騒動のもとです。 広報・広告の場合は、目的を達したら確実に削除 し、過去の情報を提供する(記録を残す)場合は 過去の記録であることを明示しないと混乱を招きます。またページの作成日 はもちろん年月日ですが、文章中の日時も状況によっては月日ではなく年月日を表示する ほうがより親切な場合もあります。インターネットは自己責任が原則、最終判断は閲覧者 ですが、判断材料となる日時がない、有っても誤解を招くようでは判断もできません。 |
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